いわゆる「トタン」とは、Tutanaga(亜鉛)というポルトガル語が語源の「亜鉛メッキ鋼板」の事です。日本語でポルトガル語起源のものは多くが江戸時代までのことが多いのですが、このトタンも欧米では18世紀前半ごろに屋根材として使われるようになったという古い素材です。生の鉄板ではすぐに錆びて穴が空いてしまうところを、亜鉛のメッキ層が錆びるのを食い止めることで屋根材としての使用に耐えられるようになるのです。

しかしそれでも、表面の亜鉛層を守るためには5年間隔程度で塗装を繰り返す事が必要で、メンテナンスコストは高くつきます。このため、現在ではより長寿命のガルバリウムに置き換えられつつあります。

当店では、トタン屋根のメンテナンスとしては、上記のように定期的な塗装をオススメしています。しかし現実には、長期間ほったらかしにされているトタン屋根も多くあり、そのようなトタン屋根では、すでに今から塗装をしても腐食を止めることはできないというところまで劣化が進んでいることが多く、葺き替えるしか手の施しようがないということもあります。また、5年おきに塗装するよりもメンテナンスがあまりいらないものに変えたいというご相談もよくあります。このような場合当店では、トタンでの葺き替えではなく、ガルバリウム鋼板などの他の屋根材での葺き替えをオススメしています。