シングル屋根とは
アスファルトシングル屋根材は、基材にアスファルトを浸透させて表面に細かい石粒を吹き付けてある柔らかい屋根材です。北米で開発された屋根材で、100年以上の歴史があります。アメリカでは、住宅のおよそ8割はシングル屋根であると言います。
アメリカでは標準的な屋根材であっても、日本ではどちらかというと今まで、「安かろう悪かろう」で語られることがよくありました。というのはこのタイプの屋根材に関して、JISには規格がないのです。そのためかつて日本で販売されていたものは、確かに安いけれど寿命も10年に届かないようなものでした。
ところが本場アメリカでは違います。簡単に言うと、30年の寿命がないものは屋根材として販売してはならないという決まりがあるのです。その本場アメリカで大きなシェアをもつ製造業者からOEM供給を受けて、日本の旭ファイバーグラス社がオリジナルブランド名で販売しているものが「ファイバーグラスシングル・リッジウェイ」。当店で取り扱っているシングルはこの、本場アメリカで30年の寿命があると認定されているシングル屋根材です。
この屋根材はこういう悩みに対応します
基材にファイバーグラスを使用することで長寿命を実現している「リッジウェイ」。柔らかく軽い屋根材で、しかも5色のカラー展開。陰影をつけた一枚一枚個性のある製法で、味のあるおしゃれな屋根を演出。そのため、以下のこんなお悩みを解決します。
地震に安心
屋根を軽量化することで、住宅の耐震性が向上します
古い京町家など古民家の瓦葺きは、土で瓦を屋根に接着する土葺タイプで、それに比較すると今の瓦でさえ半分の重さです。
リッジウェイなら、さらに今の瓦から4分の1、カラーベストと比較しても6割の重さになります。
地震の揺れは、建物の場合、重心の高さで影響が変わりますが、一番上の屋根が軽くなれば、その分建物の重心は低くなり、建物が地震に強くなります。
雨音がなくぐっすり眠れる
柔らかい素材なので雨音がほぼしません
屋根の雨音は、雨粒が屋根材に衝突したときの音ですが、たとえば金属の屋根材の場合衝突した雨粒が金属に振動を発生させて、それが音として伝わるのです。ところがこのリッジウェイは、柔らかい素材の屋根材なので、雨粒が衝突した振動を吸収しますし、表面の石粒が衝突した雨粒が飛び散ることも押さえるので、ほぼ雨音がしません。ですから、雨の日でも雨音を気にすることなく、ゆっくり眠られます。
古い住宅でもローコストリフォーム
建物にゆがみがあっても柔軟にフィットします
京町家をはじめ、京都には古い住宅がたくさんあります。そのような建物では、長年の間に、建物にゆがみが生じます。これは、30年50年という間隔で見ると、地面でさえも動いているためなのです。近年では、ベタ基礎と言って、家まるごと1軒分の基礎を一枚のコンクリートで固めてしまうのでゆがみが生じにくいのですが、伝統構法で礎石が基礎になっていたり、布基礎と言って、柱や壁の下だけにコンクリート基礎を作る方法だと、どうしても歪んでしまうのです。
建物のゆがみは、屋根にも「不陸(ふりく)」というゆがみを生じさせます。つまりでこぼこになっているのですね。このゆがみが大きいと、新しい屋根材がおさまりません。例えばカラーベストの場合、このゆがみは1メートルの長さで3ミリ以下にしないと割れてしまいます。
ところがこのリッジウェイは柔軟性があるので、多少のゆがみであればそのままフィットしてくれます。その分、下地の不陸を取る工程がいらないので、工事のコストを下げられるのです。
おしゃれな屋根にしたい
落ち着いた色彩展開でいい感じです
ファイバーグラスシングル「リッジウェイ」は、ファイバーグラスの基材にアスファルトをしみこませ、表面に粒状彩色石を塗布した屋根材です。その粒状彩色石は、のっぺりとした単色ではなく、カタログから抜粋した写真のように、微妙な色合いで陰影をつけるように配置されていて、屋根に自然な風合いを与え、洋モダンの住宅だけでなく、伝統的な日本住宅にも美しく味のある風合いを作ります。
また、上の項目にあるリッジウェイの構造図でもわかるように、1層目がくし形にカットされて2層目が見えることで風合いを高めているのですが、このくし形カットもランダムに配置され、わざと不揃いになるようにしてあります。それが味になるのですが、このため葺いていくときに厳密に千鳥構成(1段につき横幅の半分ずつをずらして葺いていく配置方法)にする必要がなく、ロスが出にくいというメリットもあります。
工費と工期をカットしたい
カバールーフ工法に対応できます
現在の屋根材が古いシングル屋根であったりカラーベストである場合、カバールーフ工法が適用できます。
カバールーフ工法では、既存の屋根材を撤去しないので、その分の工賃と廃棄処理費用がかかりません。ですから、ローコストで葺き替えというか葺き増しする事ができます。
ただし注意が必要
カバールーフ工法では、旧来の下地(野地板)に、既存屋根材を貫通して新しい屋根材を固定します。そのため、旧来の下地が腐っていたりはがれていたりして釘の保持力が期待できない場合には、カバールーフ工法にはできません。下見時点で必ず天井裏から現状を確認する必要があります。
※カバールーフ工法については、こちらの解説ページもご確認下さい。
京都でリッジウェイを使うには注意が必要
いいところがいろいろあるリッジウェイですが、京都で使うには、注意が必要です。
新築住宅に使う場合は、必ず建築確認が必要なのですが、京都市では景観条例によって使える屋根材が規定されている地域もあるので、シングル屋根では建築確認がおりない地域もあります。京都市内のそういった地域では使用できません。
なお、リフォームの場合は、建物の構造を変えるような大がかりなリフォームをのぞいて建築確認の必要がないので、使えないことはありませんが、その場合でも「デュアルブラック」等の落ち着いた色のものを使いましょう。あまり景観を壊すような色合いのものを使うと、ご近所からクレームがある事もあります。特に風致地区などでは、表側のよく見える屋根にはオススメしません。
リッジウェイで屋根リフォームの場合の費用は
図面のような大きさの屋根で、カラーベストからカバールーフ工法で葺き替える場合の参考プランは次のようになります。
受付随時・不在時は転送電話にて応対。