国土交通省方針固める〜2019年の房総半島台風を受け

国土交通省は、瓦屋根の施工において地震や台風などの災害に対して強い耐性のある工法(瓦ガイドライン工法)を義務づける方針を固めました。今のところ、再来年2022年1月ごろから新築住宅の瓦について義務化がはじまる見込みです。

あの千葉の台風でガイドライン工法の瓦はほぼ被害なし

ガイドライン工法は、阪神淡路大震災をうけて開発されたものです。現在ではかなり普及してきましたが、それでもまだ昔ながらの江戸時代とあまり変わらない工法で工事をされている屋根工事店もあります。しかしながら、今回このように方針が固まったというのは、2019年の千葉の台風被害で、旧来の工法の瓦は4割ほどが被害を受けたにもかかわらず、瓦ガイドライン工法ではほとんど被害を受けなかったという事実があります。それを受けて、災害時の被害を減らす取り組みの一つとして、瓦ガイドライン工法に白羽の矢が立ったのです。

瓦ガイドライン工法については、京都府瓦工事協同組合のYouTubeチャンネルに、動画で説明があります。

瓦ガイドライン工法について

実際に2018年の台風では〜京都市左京区での例

ガイドライン工法なら台風にも強い
同じ時期の屋根工事なのに…。奥の屋根はガイドライン工法でびくともしていない。

2018年9月台風21号は、京都市の左京区・北区・右京区の洛北地域に、甚大な風災を巻き起こしました。この年は7月末に日本列島を東から西に向けて移動した台風12号があったり、大阪北部地震があったり、6月末から7月頭には西日本豪雨があったりなど、災害の頻発した年でした。

この年の台風21号では、瓦ガイドライン工法の堅牢さ、そして旧来の工法の弱さを目の当たりにすることがありました。上の写真では、2軒の住宅が写っています。写真奥の2階建てと手前の平屋です。

旧来の工法では棟瓦が吹っ飛んでまわりの瓦も破損

奥の2階建ては、昭和40年に新築の家で、2017年の夏に瓦ガイドライン工法で新しい瓦に葺き替えた屋根です。手前は、2017年夏に建った全くの新築です。手前の平屋の方は、旧来を基準とする工法で、台風による風災でかなりやられています。

実は、奥の2階建ては、当店が瓦ガイドライン工法で工事をしました。その時に、お隣の平屋も新築工事が進んでいて、同じ時期に別の業者が瓦工事をしていました。こちらが工事をした2階建ての方が高いので、平屋の方の屋根でどんな工事をしているのかよく見えましたが、その時に、旧来の方法で棟瓦を積んでいるのを見て、大丈夫なのかと人ごとながら心配になったものですが、やはり1年後の台風で大きく被害を受けたのです。

暴風や地震の時に、家族の安全を守ってくれるのが本来の家屋の役割です。それが、強風で瓦が吹っ飛んだり、地震で落ちたりするようでは本末転倒です。もしも、古い瓦の家にお住まいの場合には、新しいガイドライン工法での葺き替えを考えてみて下さい。当店では瓦の葺き替えに関しては、瓦ガイドライン工法を標準工法としています。

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