瓦は雨漏りしたらすぐに修理をするのがおすすめ!
➡放置はやがて高額な修繕費に…
瓦屋根の住宅で雨漏りを発見したら、すぐに修理をご検討ください。修理を先延ばしにすると見えないところで被害が大きくなり、やがて高額な修繕費がかかります。特に瓦の場合、素人修繕は一時的効果にとどまり、かえって悪化することも。早期修繕が結局おトクです。
このページでは、瓦屋根の雨漏りの原因と修理方法についてまとめています。
- 1. 瓦は雨漏りしたらすぐに修理をするのがおすすめ!
- 1.1. 瓦が割れているだけではない雨漏りの原因
- 1.1.1. 【瓦屋根編】雨漏りの原因一覧
- 1.1.2. 瓦の持つ通気性能の二面性
- 1.2. 原因別、瓦屋根の修理方法
- 1.2.1. 本当に瓦に原因がある場合
- 1.2.1.1. 飛来物などの外的要因で瓦が割れた。
- 1.2.1.2. 葺き土が劣化して瓦がズレたり正しい位置におさまっていない。
- 1.2.1.2.1. 一年持てば良い場合
- 1.2.1.2.2. 五年持ちこたえたい場合
- 1.2.1.2.3. 十年は持たせたい場合
- 1.2.1.2.4. 20年・30年と長持ちさせたい場合
- 1.2.1.3. 凍害等で劣化して瓦が割れた。
- 1.2.1.4. 本来、塞いではいけない瓦の隙間をコーキングや漆喰で塞いでしまった。
- 1.2.2. 瓦以外に原因がある場合
- 1.2.2.1. 大屋根の雨樋が詰まったり破損して下の瓦屋根に滝のように落下した結果、その雨水が跳ねて瓦の隙間から裏側まで入り込んだ。
- 1.2.2.2. 壁際などで瓦の下にあるルーフィングの納め具合に問題があって、壁の内部に雨水が流れ込んだ。
- 1.2.2.3. ルーフィングが劣化している、あるいはちゃんと入っていない。
- 1.2.2.4. 実は瓦とは関係なく、窓枠やサッシの枠の防水が劣化したか収まりが悪くて、壁の内部に雨水が流れ込んだ。
- 1.2.2.5. 壁のツタを放置していて、瓦屋根の中にまで入り込んで瓦がガタガタになった。
- 1.3. 京都で瓦屋根修理を依頼するなら【京都ルーフサービス】へ
雨漏りそのものについてまとめた記事もこちらにあります。雨漏りが発生する仕組みについては、こちらの記事をご覧ください。
➡雨漏り は 屋根修理 のシグナル 〜応急処置と修繕は放置しないですぐに手配を
瓦が割れているだけではない雨漏りの原因
「瓦屋根から雨漏りが発生した。」とお電話いただいて駆け付けると、たいていの方は、「瓦が割れているかもしれない。」とおっしゃいます。ですが調べてみると、本当に瓦が割れている事もありますが、それよりも実は他の原因から雨漏りが起こっていることも案外と多いのです。
瓦屋根から雨漏りしているとしたら、おおよそ次のような原因が考えられます。これらはどれも、当店が今まで経験した、実際にあった出来事です。
ところで、瓦の特徴のひとつに、「通気性」がある事はご存じですか?瓦は、一枚ずつが重なって全体として瓦屋根になっていますが、その重なりの部分は接着されているわけではないので、空気が流通できます。つまり通気性があります。そのため湿気を逃がす事ができるので、屋根が蒸せて劣化するのを軽減することができます。それに対して密着した金属の屋根は、全く空気が流通しないので内部に湿気がこもりやすく、蒸せて屋根が劣化しやすくなります。(そのため換気棟が必要になるのです。)
通気性能自体は瓦の長所なのですが、暴風雨の時には、逆に欠点となります。
普通の雨の場合、通常は瓦の重ね目から雨水が入ることはありません。基本的に水は上から下に流れるので、重ね目の中をさかのぼって水が流れていくことはないからです。しかし暴風雨の場合は話が別です。暴風によって雨粒が引き裂かれて小さくなり、やがて「コロイド状態」とよばれる微細な状態になります。すると、液体の水でありながら、水蒸気のように空気の流れに乗って入っていきます。重ね目からも空気が入っていけば、一緒に入っていって瓦の裏側まで回ります。水蒸気であれば、中に入ってもそのまま空気の中に溶け込んでいるので問題はないのですが、コロイド状態では水蒸気のように空気と一緒に入っていった先で、何か物に当たったら元の水に戻るという性質を示します。つまり、瓦の下まで水が回るのです。
そのため、瓦の下葺材であるルーフィングが非常に大切になります。これを二次防水層と言いますが、瓦屋根(だけでなく一枚ずつを重ねて葺く屋根材はどれもそうです。)では、この二次防水層をきっちりしていることが、雨漏りを防ぐ重要な部分です。
ところが、数十年前までは最近と違って激しい暴風雨も少なく、下葺材もそれほど重視されていませんでした。そのため古い建物では、今の雨には耐えられない状態で雨漏りになることもあります。また、当時の知識のままで工事をしている古い職人さんは、今でも下葺材を軽視しておざなりな工事で済ませてしまう人もいます。本来は、屋根材なしで下葺材だけでも雨漏りが起こらない状態になっていなくてはならないのです。
ともかくここでは、瓦そのものと下葺材を合わせて初めて本来の性能を発揮するのが瓦屋根であるという事を覚えておいて下さい。
原因別、瓦屋根の修理方法
雨漏りの原因によって、ふさわしい修理の仕方は変わります。もちろん、その原因が及んでいる範囲についても内容は変わります。ここでは、原因別に対処方法を上げてみましょう。
この場合は、とにかく割れた瓦を取り換えなくてはなりません。屋根の部位によっては、割れた瓦を取り換えるために上にのっている瓦をいったん取り外す必要があったりと、手間がかかる場合もありますが、取り換えさえすれば良いので、修理しやすいとも言えます。
なお、飛来物で破損したのが瓦だけなのか、下葺材まで破っていないか、を調べて、下葺材まで損傷しているときは、そこから直す必要があります。
現在主流の工法である「瓦ガイドライン工法」では、瓦を釘で留めてしまうのでズレることはまずありません。しかし、かつて主流であった「土葺き工法」の場合は、時間が経つと必ず瓦がズレてきます。➡瓦ガイドライン工法については、こちらのお知らせにまとめてあります。
土葺き工法では、練って粘り気を出した粘土「葺き土」を接着剤として、瓦を屋根下地に貼り付けて固定します。端々は銅線などで留めつけますが、多くの瓦は土で貼り付けてあるだけです。葺いた当初はしっかり接着していても、時が経つにつれ、寒暖の差や多湿時と乾燥時を繰り返すことにより、やがて葺き土から接着剤としての力が失われ、下地からはがれて、土の上に瓦を置いて並べてあるだけの状態になります。こうなると、日々の生活で発生する振動や風雨、地震などで瓦が動き出します。そして、重力に負けてズレてしまうのです。
これが原因の場合には、少々やっかいです。なぜなら、一枚だけ瓦がズレているということはめったになく、屋根面全体でズレていて、特にズレが大きいところで瓦の重なりがなくなって雨漏りしている、という状態だからです。この場合は、その瓦屋根を後どれだけ持たせたいかで修理方法は変わってくるでしょう。
1年後には建て替えるというような場合なら、応急的にひどい部分だけをなんとかするという手でしのげます。その時注意すべきは、瓦の下の下地や構造部分がどれだけ劣化しているかです。底が抜けそうなほど腐っている場合には、当て木をするなどの対処も必要でしょう。
5年持たせたいという事なら、屋根面全面の瓦をズレる前の位置まで突き上げて、再びズレないように処置する必要があります。それは簡単な工事ではなくなるので、それなりの費用もかかってきます。
突き上げたところで再び瓦が下地にひっついてくれるわけではないので、突き上げただけでは、いわば屋根の上に瓦を並べておいてあるだけで固定されていない状態です。そのままでは台風の時などには、飛散する可能性もあります。ですから、端々は瓦用のビスなどで下地に緊結し、瓦相互を接着して飛散を防ぎます。なお、この時接着方法が非常に重要で、接着位置を間違えるとかえって雨漏りを悪化させるので要注意です。
10年持たせたい場合は、瓦自体に損傷がないのなら5年と同じような突き上げで持たせられるでしょうが。しかし現実には雨漏りするほどズレている瓦は、瓦自体も劣化が進んで寿命が近づいていて、そもそも10年はムリという事もよくあります。その場合には、葺き替えも視野に入れないといけません。
さらに、20年、30年と考えるのなら、もはや葺き替え一択ということになるでしょう。その方が結局は安上がりです。現在の瓦を瓦ガイドライン工法で葺き替えた場合、50年は持つでしょう。
同じ瓦が割れたのでも、前述した飛来物等による破損とは、まったく違う形の割れ方です。
瓦は焼き物なので、わずかですが湿気を吸います。夏場はそれでなんの問題もないのですが、冬はその湿気を含んだ状態で気温が氷点下まで下がると、瓦の内部で湿気が凍結します。水は、氷になると体積が増えるという性質がありますが、瓦の内部で凍結した湿気も凍るときに体積が増え、その結果瓦の外向きに力がかかります。瓦が新しい間はその力に耐えられるのですが、やがて耐えられなくなると瓦の表面がはがれるように剥離して割れていきます。
これを凍害による「凍て割れ」と言います。この割れ方がやっかいなのは、同じ時期に葺いた瓦ならば同じような強度なのですが、その中でもわずかの差で早い遅いがあって、早く力尽きた物から凍て割れが始まるのです。そしてその凍て割れた瓦を取り換えたとしても、次の冬には別の瓦が凍て割れするといういたちごっこになる点です。
この状態で割れはじめた場合にも、前記の瓦のズレと同じようにどのくらい現状の瓦屋根を持たせる必要があるのか考えて、費用対効果から修繕方法を考えないといけません。当然長期間を考えるなら、葺き替えも視野に入ってくるでしょう。
これは、いったん雨漏りした屋根を素人工事で修繕しようとしてやってしまうことが多いパターンです。瓦同士を接着する場合、止めて良い部分と、止めてはならない部分があります。止めてならない部分は、結露などで瓦の裏側に水滴がついたときに、それを表側に排水する部分などです。そこの重なり目を表から塞いでしまうと、結露水の逃げ場がなくなり、雨漏りにつながります。
このほかにもいくつかパターンがありますが、素人目には判断がつかないことも多いので、素人工事は一時的に回復したように見えても、あとから倍返しで悪化することもありますから、ご注意下さい。
このパターンの雨漏りは、1階の屋根(下屋根)からの雨漏りで、周囲に落ち葉をたくさん生じさせる樹木が多いところなどで発生することがよくあります。
雨樋は、屋根の広い範囲の雨水を集めて流していますが、特に2階の屋根から下に落とす落し口(集水器)が落ち葉などでつまると、集まってきた雨水が行き場を失って、集水器周辺からあふれ出し、下の屋根に滝のように落水することがあります。落ちた先で水が跳ねて四方八方に飛び散るのですが、その時、瓦の重ね目の隙間から、瓦の裏に大量に流れ込んで雨漏りになるパターンです。
この状態で長く放置すると、本来問題のなかった下の屋根まで損壊されていくので、雨樋の掃除や手直しだけで回復できるうちに、なるべく早く修理をした方が良いでしょう。実際に蔵の屋根でその状態になって3年放置されていた物件がありましたが、下屋根の下まで水が回って白ありの巣ができており、修理金額が100万円を超えてしまったという事例がありました。雨樋の不具合に早期に気づいていたら、せいぜい数万円の出費ですんだと思われます。
このようなこともありますから、たまには雨天の時に、雨樋があふれていないか見回ることも必要です。
今ほど下葺材に注意が払われなかった建物や、今でも当時のままのやり方でやっている職人さんが工事した物件では、暴風時の二次防水が機能しなくて雨漏りになることがあります。
ちなみに、下葺材の施工方法は屋根材メーカーによって指定は変わりますが、どこも概ね、一般社団法人日本防水材料協会(JWMA)のアスファルト防水部会が定めている「屋根下葺材施工要領」が基準になっています。
特に問題になることが多いのが、下屋根の壁際が、しっかり立ち上がりを確保しているかどうかです。特にリフォームの場合には、基準まで立ち上げることが難しい事もありますが、それでも壁内部への流れ込みを避ける対策は必須です。実際に相談を受けた雨漏り事例でも、壁まで下葺材が届いていないことで雨漏りになっていた物件もありました。
また、下屋根の軒先が二階の壁に当たる「壁あたり」構造の場合、ルーフィングでしっかり捨て張り防水をするだけでなく、壁あたりの板金役物で壁内部への雨水突入を防ぐことが大切です。しかし街中を歩いていると、最近の物件でもそういう必要な部材を省略しているところも多く見られます。1万円をケチって、将来100万円近い出費を生むことになるので、新築や屋根リフォームの時には、必ず手当てしたいものです。
このような不具合がある場合、屋根材によっては広範囲をやり直す必要がありますが、瓦屋根の場合、比較的問題箇所に絞った対処がしやすいのですが、それでも、早期発見で10万円程度、発見が遅れて木材が腐っている場合には100万円前後の費用になる場合もあります。
古い建物の下葺材に見られる事例で、現在は廃版になっているような塩ビ系の下葺材であったり、本来壁用の防水紙であったりを屋根の下葺材として貼ってある場合、劣化によって穴が空いたり、縮んで重なりが確保できなくなったり、そもそもしっかり重なりを確保していなかったりして、それが雨漏りを誘発することがよくあります。さらに古い、薄く剥いだトントン板を使ったものや杉皮を使った下葺は、最初はまともでも、劣化すると用をなさなくなります。さらに古いと、下葺材がなく葺き土を大量に入れている場合もあります。
このような場合は、一部の補修では一時的に雨漏りが止まっても、また別の箇所から漏ることがあります。また、このような事例の場合、瓦自体も古くなって劣化が進んでいることも多く、根本的には葺き替えが必要になります。この後、現在の瓦屋根をどの程度持たせたいのかによって、応急的にしのぐのか、葺き替えまでするのかを考えましょう。
瓦屋根から雨漏りがあると、どうしても瓦の問題であると思いがちですが、実は壁が原因である事が結構あります。中でも、サッシ枠のまわりから水が回ることが良くあります。昔は今ほど瓦の下葺材をきっちり貼らなかったのと同様に、サッシ周りの処理もわりとそこそこで収めていることも多く、結果として今の豪雨には耐えられない事があるのです。
この場合は、瓦の工事ではどうすることもできず、壁を直す必要があります。
甲子園球場の外壁のツタが有名ですが、壁にツタを這わせている場合、あるいは勝手にはびこった場合、瓦の下に入り込まないように、十分注意しないといけません。少なくとも年に一回は点検しないと、たいへんなことになります。
写真は、そのたいへんなことになっている状態を瓦屋根の上から撮影したものですが、瓦の下に入り込んだまま生長したツタが、瓦を浮かせてしまったり雨水の流れを阻害したりして、雨漏りの原因になっています。
引っ張って採れるうちに撤去しないと、こうなってしまうともはやも広範囲に瓦をめくって、撤去した後に葺きもどす必要があり、数十万円〜100万円前後レベルの工事になってしまいます。
京都で瓦屋根修理を依頼するなら【京都ルーフサービス】へ
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